編集雑記ーいかに今号が流れのままに作られ、紆余曲折して増ページとなったか。
「J-one」発行人 すぎたカズト
▲前号の「J-one」6号を準備していた夏前あたりから震災や「福島」について、全国区的にー急速に意識が薄れたように思えた(参院選の影響か?)。それまでも震災が忘れ去られつつあったが、少しは心のどこかに留めてあったようなフックが、なくなってしまったのだ。震災から2年以上経つものの心の時計が止まったままの人達と、湧き出ては消えて行く情報のように今しか見ようとしていない人々との断絶。「J-one」を発行してゆく上でも、この溝は重要なものになる。そこを繋ぐ糸口が見えたのは、9月下旬に行われた「ふくしま会議」へと向かう道すがらだった。
▲福島と言っても、行政に不信を募らせ放射能に悩み萎縮した生活を送っている母親たちがいる一方で、「頑張ろう!」一色の復興ムードで不安の声を塗り潰そうとする行政や商工会の人たちもいる(それでいて、自分の妻子は避難させていたりする)。震災や原発事故を契機として思いもよらなかった方向へ追いやられながらもアクティブに過ごしている人もいる。何が安全で何が危険か、あれを食べるな、いや食べないのは良くない、と行動のひとつひとつを誰かにジャッジされているようで、自分というものを実感出来ない日々が重いストレスになっている。翻って、自分自身を考えても「J-one」などという不確かな行いに賭けていていいのだろうか?とも思う。
▲これらに思いを巡らせていた時に浮かんだのが、「好きに生きる」という言葉であった。例え翻弄されていたとしても、そこに自分の生き方が好きになるような意識があれば、後押しとなって状況に関係なく人生を謳歌出来るのではないか。こうした「生き方」を共通のキー・ワードとすれば、福島について思い悩んでいる人も、都会に住みブラック企業に勤め「考える」行為を取り上げられている人たちも同じく向き合えるのではないか。
▲こうしてテーマを決めた今号は、取材中に出会った人々との流れの中で当初考えていたページの割り振りでは収まりきらず、それ故40ページへと増大する事となった(以下、「J-one」7号をご覧下さい)。
すぎたカズト/1964年、東京都生まれ。80年代末よりライター活動を始め、ネパールに通う。90年代後半から福島県と岩手県に移り、長野県では小屋を自作、神奈川県藤野では廃校の離れに住み、不便暮らしを10年以上経験。震災後、やり散らかして来た自戒を込めて「J-one」を個人で創刊、これからの生き方を探る。共著『ちょっとキケンなひとり旅』(イカロス出版)、『三国志読本』(角川春樹事務所)他。
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