「生きる」という事にフォーカスした「J-one」7号で反響が大きかったのが、脳性麻痺の人たちが自ら自分たちの生きた暮らしを勝ち取る「自立生活運動」を進めるHANDS世田谷の代表者おふたりにインタビューしたこの記事。当初、割り振ったのが活動グループ紹介コーナーの半ページ。実際に訪ねて話を聴いてみると、エネルギッシュな横山さんと、ウィットに富んだ上田さんにすっかり魅了されてしまい、「生きる」という事を具現化したユニークさに、もっと大きな扱いをと思い、4ページと相成った(そのへんの経緯と取材後日談は「編集雑記ーー好きに生きる、ということ。」をお読みください)。
自立生活運動における介助者(パーソナル・アシスタント)の黒子ぶりや、「中途障害者=途中から障害者になった人」「健常者=未だ障害者になっていない人」という考え方はまさに目から鱗で、「そうか、教習所で言えば、僕らはまだ仮免にもなっていないのか」との感想も届いています。ぜひ、僕らの不自由な狭い知見を広げる世界をご覧下さい。
「J-one」主宰 すぎたカズト
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車椅子が錆びていた時代
すぎたカズト(J-one):皆さんはどんな活動をなさっているのですか?
上田要(HANDS世田谷スタッフOB・ケアズ世田谷副理事長):重度の障害者も安心して暮らしていける地域づくりをやっています。自立生活(IL)運動*は70年代にアメリカのバークレーで重度障害者学生の自立生活運動から始まって日本にも広まり、HANDS世田谷は日本で2番目に出来た自立生活センターです。
横山晃久(HANDS世田谷・ケアズ世田谷理事長):日本も、その前からやってたんだよ。僕は18歳の時から10年間、個別訪問を続けてた。名簿なんかないから、当時のあまり性能のよくない車椅子で毎日、町に出て住宅地をまわって車椅子を見掛けると、「障害者の人はいますか?」って声をかけるんだけど、あの頃は障害者差別が強ったから、家族もなるべく外に出さない。だから、車椅子が錆びているんだ。「いません」と断られても、僕はしつこい性格だから(笑)、話せるまで2度も3度も押しかけてね。(中略)
障害者か障がい者か
すぎた:上田さんは、facebookをやっていますね。最近は「障がい者」と表記するのが好ましいとされていますが、「障害者」と漢字を使っているのはなぜですか?
上田:それは、変換の違いですよ。あれは、介助の人が代わりに入力してくれるんです。「障害者」か「障がい者」か、まあ、その時の氣分かな。
横山:氣にするのは、中途障害者の人達だね。「障碍者」とか難しい漢字を使ったり。
上田:あなたはどう思いますか?
すぎた:漢字の方がいいと思います。ひらがなにすると、いわゆる「健常者」**と言われている人達が実際の障害者が抱えている「障害」がもう解決してしまったと思って、問題を考えなくなりますから。
横山:「中途障害者」***の方(ほう)が障害を受け入れるのに時間がかかるんだよ。僕達は生まれた時からだけど、事故や病氣でなった中途障害者は、それまで自由に暮らして来たから。
上田:でも、受け入れないと前に進まない。生きて行けないんですよ。
ーー続きは「J-one」7号を手にとってご覧下さい。
HANDS世田谷(ハンズせたがや):「重度の障害者も安心して暮らしていける地域づくり」を目指す。1974年に梅ヶ丘駅スロープ化運動から当事者運動が起こった世田谷でIL運動を試み、1990年に「Hands for Handicapped in Setagaya」として設立。1999年、NPOケアズ世田谷設立。
*CL:Independent Living(自立生活)の略。
**健常者:まだ障害を持ち合わせていない人。
***中途障害者:事故や病氣で後天的に障害を持つに至った人。
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