9号記事紹介:編集雑記『トラック野郎』故・鈴木則文監督のこと。

J9-141003◆本年5月15日、映画監督の鈴木則文さんが脳室内出血で亡くなった。80歳であった。あまりに東映的な大衆映画を作り続けた人で、代表作は松竹の『男はつらいよ』シリーズの向こうを張って昭和の盆と正月を飾った『トラック野郎』シリーズであった。
◆そのシリーズ第8弾、『一番星北へ帰る』(1978)では、岩手県盛岡市と福島県いわき市・猪苗代町などでロケしている事もあり、震災直後、トラックが入って来なかったいわき市に一番星桃次郎が物資を載せて颯爽と走って来て欲しかった想いを込めて、実行委員会に関わっている「イメージ.福島 vol.5」(2012年4月@フォーラム福島)での上映作品として推薦し、その時の模様をイメージ.福島実行委員会会長でありサスペンス映画研究家の三浦哲哉氏と「J-one」3号(現3.11号)J-oneトーク「映画からイメージする福島」で語ったところ、どこからか聞きつけて「J-one」を手に入れたエッセイ担当の編集者から受け取った監督がデコトラ雑誌「カミオン」2012年11月号の連載コラム「トラック野郎風雲録」にて、この事に触れ、こう書き記して下さった。
「私が驚いたのは、30年前に作られた映画にこれだけ現実感を持って反応してくれたことだ。湖底に沈んだ故郷を語る星桃次郎の場面に映画館は異様な空気に包まれたという言葉に、原発事故で故郷を追われた福島人の痛切を思わされた。
日本の歴史のなかで常に冷遇され続けた<東北>の無念を思った。」
◆震災・原発事故の以前も以降も福島を舞台とした劇映画の数々が作られているが、静岡県出身の鈴木監督は見事に<東北>の心情を震わせる傑作を遺した。これは、ある種、「昭和」という日本人が全般的に感性を共有していた時代であった事も大きいのだろうか。鈴木則文監督の志を引き継ぎ、震災世代の若き想像力が福島や東北を描いた秀作・名作を数多く生み出す事を期待したい。合掌。

「J-one」9号(すぎた和人)

『新トラック野郎風雲録』(鈴木則文/ちくま文庫/2014年)には、震災直後にトラッカーを激励するコラムや、2011年9月3日に宮城県石巻市で行われた『一番星北へ帰る』上映会など、震災関連にも折りに触れ、「J-one」対談も一部転載されています。

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