長年に渡ってパレスチナを取材して来た古居みずえ監督が飯舘村の女性たちに寄り添って撮影し続けたドキュメンタリー映画『飯舘村の母ちゃんたち 土とともに』が5月7日(土)よりポレポレ東中野にて劇場公開されます。
古居みずえさんには、「J-one」10号にてインタビュー掲載だったところ、イスラエル軍によるパレスチナ難民自治区ガザ空爆が激化したため、急遽ガザ・レポートを現地よりお送り頂きました。10号にて掲載となったインタビュー記事を今回、ご紹介致します。
映画は東中野の後、6月4日〜横浜シネマリン、7月名古屋シネマテークに続き、全国巡回上映されます。ぜひ、ご覧下さい。
パレスチナと「飯舘村の母ちゃんたち」
古居みずえ 監督インタビュー
イスラエル軍による無差別砲撃を受けるパレスチナ難民自治区ガザの子供たちを追ったドキュメンタリー映画『ぼくたちは見た』の監督を手がけ、震災後は奮闘する飯舘村の女性たちを撮影し、そして、再び戦火のガザへーー
それを見てしまった事で、追いかけてゆかなくては。
ーー現在撮影中の『飯舘村の母ちゃんたち』で、飯舘村の女性たちをテーマに選んだ理由を聞かせてください。
古居みずえ:ずっと海外の事、中東のパレスチナを取材して来ました。第一次中東戦争でパレスチナの人達が住んでいたところを追われて、世界に散らばって難民となった人達、特にイスラエルの占領地ガザ地区に住んでいる人達の生活を追って来たんです。だから、土地を追われた人達がすごく「故郷」というものにこだわりがあるのをずっと見て来て、飯舘村で話を聞いた時にパレスチナの事が重なりました。飯舘の人達も急に計画的避難地域に指定されて、今まで住んでいたところを追われて、生活をすべて失って、仕事も家も奪われていますからね。
東日本大震災の時、はじめ私は津波被災地などを回っていたのですけど、飯舘村の人達の事が氣になって。酪農や畜産をやっている方々を訪ねて、私が最初に見たのは牛飼いのお母さん達が生まれたての時から自分で育てて来た牛を手放さなければならないという時だったので、牛飼いさんにとっては一番辛い。それを見てしまったという事。それを私自身、追いかけていかなくっちゃと。一番最初だったから印象が強かった訳ですけど。
その時、見送っているお母さんーー長谷川花子さんーーが訴えて来るんです。「なんでこうなっちゃったの? 誰のせいなのよ?」と、初対面の私に。やっぱりなんとかして欲しかったんだと思うんです。それから通わなきゃと思って、長谷川花子さん、中島のぶこさん、去年からは菅野栄子さんを撮影しています。女性達が多いんです。自分が女性である事もあるし、女性同士で解り合える事も多いので。パレスチナのお母さん達と似ているところもあるし。違うところもありますけど(笑)。
ーー初めて古居さんと珈琲店「椏久里」でお目に掛かった時、飯舘村の女性達が「村のアンケートなどが来ても、個人でなく家に来るから家長である男が記入する。女の声は取り上げられない」と怒っていましたね。
古居:そうです。パレスチナなんかはイスラームの世界なので、本当に女性が表に出て来る事は少ないですね。(女性のところには)男性のカメラマンとか入れないし。飯舘の場合は、お父さん中心の家庭もある訳です。だから、やっぱり女性の声を聞きたいなと思いました。
以下は、「J-one」10号をご覧下さい。
また、「J-one」9号でも古居みずえさんの「ガザ・レポート」が掲載されています。
「J-one」直販ショップ、3rd-eye stores.jpにてオンライン購入頂けます(1500円以上、送料無料)。
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