カテゴリー別アーカイブ: 記事紹介

「J-one」11号記事紹介:「福島と生きる」宍戸仙助さん

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「J-one」11号「福島を生きる」掲載(A4/40頁/600円)

「J-one」11号掲載
「福島と生きる」

これからの「幸せ」とは、世界中でシェアし合うこと。

宍戸仙助(ししど・せんすけ)/元福島県伊達市立富野小学校・矢祭町立東舘小学校校長。認定NPO法人「アジア教育友好協会(AEFA)」参与。

「もったいない」を活用する
伊達市立富野小学校に赴任する直前に311が起きて、人事が4か月間凍結され、実際に着任したのは8月でした。校庭の放射線量を軽減するために自分たちで除染したり、移動教室を行ったりしましたが、そうした事をやれたのもその前に県南の矢祭町で合わせて6年4か月に渡って二度、教頭と校長として勤めた事も大きかったかと思います。と言うのも、初めて矢祭町に教頭として赴任した時は、ちょうど住基ネット接続や町村合併に反対して独自路線を歩んだ根本良一町長の三期目だったからです。
とは言え、福島市内の自宅から120km近く離れた赴任先に二度も辞令が出るのは希です。よほど矢祭に縁があるのかな、と友人の住職に話したところ、「縁とは神や仏が与えるものでなく、自分で引き寄せるものだよ」と言われて、そうか、だったらやれる事を存分にやってみたいと思った訳です。

(中略)

(矢祭町立東舘小学校で)3年間の取り組みのあと、異動の内示があった直後に、震災が起きました。矢祭町でも被害が酷く(最大震度5強)、体育館の壁だけでなく校舎の躯体そのものにもひび割れが入りました。3月23日の卒業式をやるべきかどうするか、それぞれの校長判断となりました。その時に「子供たちがどう思っているか? 子供たちがやりたいと言うのなら、ぜひ、やってあげたい」と。それで時間を短縮して実施することになったけれど、6年生が「僕たちが選んで練習してきた卒業式の歌を歌えなかった」。子どもたちから「避難所に行って歌い、避難している人たちを励ましたい」というアイディアが出され、近くの避難所に行って浪江・大熊・楢葉の人たちの前で歌ったんです。

−−宍戸さんは、東舘小学校在籍中、アジア教育友好協会(AEFA)との交流からラオス南部・サラワン県のナトゥール小学校を訪れた体験から定年後、AEFA参与となって日本とアジアの子どもたちとの橋渡しに尽力する事となる。

ラオスの学校に校歌を届ける。
(ナトゥール小学校との)取り組みの二年目にAEFAの理事長がうちに来た時、家内に「ご主人が退職したらAEFAに貸してください」と頼んだんですよ。「まあ、まだ、2年あるから、ゆっくり考えましょう」と返事をしたのが震災前の話です。そして、いざ定年を迎える10日前に家内が「これからどうするの?」と聞くから、「それがな、やっぱりAEFAに行きたいんだけど」と伝えたら、凄く怒られました。「あなた、今、福島の子供たちがどんなに苦しんでいるのか解ってるの? それなのに外国の子供たちを助けるって言うの?」と。 実は、ナトゥール小の子供たちの前でラオス語で校歌を歌った時に、子供たちの目が物凄く輝いて心にグサッと突き刺さったんですよ。それはもう「二十四の瞳」なんてものじゃない。二十代の時に教員を志した時の夢そのものでした。こんなに貧しくても、どうしてこんなに目が輝いて幸せそうにしていられるのか。この目の輝きを日本の子供たち、自分の学校の生徒たちに取り戻したいと思ったんです。

以下、記事全文は、「J-one」11号をご覧下さい。
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若松

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「J-one:ジーワン7号」(600円・40頁)

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「J-one:ジーワン6号」(500円・32頁)

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「J-one:ジーワン4号」(500円・32頁)

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11号記事紹介:小高を撮る+『小高の春』予告編

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「J-one 11号」(600円・40頁)

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旧警戒区域 南相馬市小高区
「小高を撮る」

J-one 10号「それでも原野に生きる」掲載の2014年11月に撮影した小高川に、今年もまた鮭が産卵のために戻って来た。鮭の回遊スパンは4〜5年と言われ、今年の鮭は11年の春ーーちょうど福島第一原発事故直後に孵化した鮭ないし、翌12年の鮭。南相馬市小高区は第一原発から20km圏内の警戒区域に指定された事から鮭の人工繁殖が行われず、この鮭たちは天然孵化しては大海原に臨み、4年かけて太平洋の荒波を乗り越えて帰って来た事になる。

今年は10月下旬には鮭の群れが川面のあちこちに見られ、トータルで13日間粘って鮭の放精場面まで撮影する事が出来た。南相馬市博物館の稲葉修学芸員の話では、「当地域のサケの産卵行動は、通年ですと10月から12月上旬ぐらいまで観察でき、多くの個体が入れ替わり産卵しています。しかし2015年の遡上と産卵は例年よりも早く、10月にはじまった産卵が、11月中にほぼ終了してしまいました。現在、小高川でのサケのふ化事業は行われておらず、震災・原発事故以降は自然産卵によるサケ自身の繁殖が行われています。これは、本来あるべき自然の姿です。たくましく、美しい、被災地に生きる野生の姿です」との事だった。

去年の撮影日をチェックすると11月末であったが、今年は11月の中旬に再訪した時にはわずかに残っている程度で、川縁や川底に生殖を終えて生命が燃え尽きた鮭の遺骸がそこかしこに見られ、明らかに産卵時期がずれているようだった。鮭の個体数が人工孵化による放流前より少なかったのかどうかは定かではないが、引き続き小高周辺の生物を記録して行こうと計画している。

と同時に、16年4月の「避難指示解除準備区域」指定解除による帰還を間近にして除染作業や解体・新築工事が進む小高区(人口1万3千人)の姿も日々刻々と変化している。8月末から届け出制による「準備宿泊」が開始され、9月28日は仮設店舗「東町エンガワ商店」も開店。コハクチョウの群れが旅立つ頃、小高の住民にとっても震災前から6年ぶりの待ち遠しい春が訪れる事だろう。(すぎた和人)。

『小高の春』クラウド・ファンディング(制作支援)のお願い
原発事故後、人口放流が途絶えた事によって自然孵化した天然サケの群れと、2016年4月の住民帰還に向かう旧警戒区域・南相馬市小高区を対比させ、福島の現状ーーあるいは原発再稼働に進む日本の状況を問う記録映画「小高の春」(2016年6月完成予定)を現在制作しています。撮影は住民帰還が始まる春まで続きますが、撮影機材の補充、移動費、そして小高川の水質検査( 「いわき放射能市民測定室 たらちね」にてトリチウムとセシウムの解析を依頼中)等の予算不足に悩まされています。特に小高川は過去に除染後の汚染水が放流された騒ぎがあり(業者は処理し基準値を下回っていたと報告)、出来ればより高度な測定でストロンチウムも解析してみたいと考えています。予告編YouTubeにアップ致します。よろしければ、製作費のご支援(ひと口5000円)を頂けると大変助かります。ご協力頂いた方には、エンディング・クレジットにてお名前掲載(希望者のみ)致します。また、ストロンチウムの有料測定は、市民測定室「たらちね」の支援にもなります。ご協力をお願い致します。
お問い合わせメールフォーム
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J-one10号記事紹介:ドイツ・低線量被曝からの考察 ふくもと まさおインタビュー

(記事内写真提供:ふくもとまさお)

福島第一原発事故の影響を探る糸口は、高濃度に汚染されたチェルノブイリ原発事故の現地よりも社会環境も似た同じ先進国であり、低線量被曝を経験しているドイツの方が参考になる、と提唱し、『ドイツ・低線量被曝から28年』(言叢社)を発表しているベルリン在住のジャーナリスト、ふくもと まさお氏にスカイプ・インタビューを試みたーー
 
*7〜8月、9月にふくもと氏が一時帰国され、各地で講演会も企画される予定です。

自分たちで発電する
再生可能エネルギーは、
経済権力に負けない
市民主体の民主主義運動。

抑圧された日本は東ドイツとよく似ている

すぎた和人(J-one):1985年から東ドイツに住んでいて「日本と東ドイツがよく似ている」と感じられているそうですね。

ふくもと まさお:私は東西統一まで東ドイツ側に暮らしていましたが、いろんな意味で東ドイツと日本は似ていますね。国旗を掲揚しないといけない日に国旗を掲揚しないと、秘密警察から弾圧されました。社会主義と資本主義と体制は違いますが、日本の場合は経済権力が物凄く強く、「抑圧されながら暮らしている」点がよく似ています。ドイツ人の友人で社会学者の教授は「日本に民主主義があるなんて信じられない。市民革命がないところに民主主義が生まれるはずがない」と言っています。

すぎた:情報統制の中、東ドイツの住民がとった手法には感心してしまいます。

ふくもと:政府が情報統制していましたから、チェルノブイリ原発事故の情報は一切報道されませんでした。市民は、西ドイツのテレビから情報を得ていました。受信できたので。当時は、一般家庭には電話のないところが多い時代。情報を伝える手段は紙と口コミだけでした。政治問題もそうですがーー手書きの壁新聞を秘密警察に見つからないようにこっそりと貼る。民主化運動の時はタイプライターにカーボン用紙を挟んで打って2~3枚コピーを作って、有志の人たちがまた何枚も何枚も作ってゆく。そうしてビラをつくってこっそり配布し、自分たちの民主化の主張を広げていった。限られたところにある簡易印刷機でビラを作っていた人もいますが、監視されているので、個人のタイプライターの方が安全でした。そういうひとつひとつの努力の積み重ねで、民主化運動をひろげていったんです。

すぎた:今、その東ドイツ時代の住民についての本を執筆なさっているそうですね?

ふくもと:30人以上の人に統一から今までをどのように感じているのか、インタビューしました。日本の人たちに伝えたいのは、東ドイツの人たちがどのように立ち上がっていったのか、という事です。彼らは「当時の方がむしろ市民が立ち上がる社会的な基盤があった」と言います。(社会主義体制のため)お金がなくても生きていけ、経済的に心配のない時代でしたから、市民はその点で立ち上がりやすかった。「敵」も独裁体制とはっきりしていた。今は、お金がないと生きていくのは難しい。社会問題に対して市民が発言すると、仕事を失う心配がある。同時に、「敵」が誰なのかという事もはっきりしません。
市民運動に火をつけたインテリの人たちは、東ドイツの中で民主化して新しい国を作りたかった。でも、一般市民に裏切られるんです。一般市民は、西側の豊かな生活にしか目がいっていなかったからです。要は、西側と同じモノがほしかっただけ。壁が崩壊すると、すぐに統一に走ってしまったんです。

以下は、「J-one」10号をご覧下さい。
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J8-150724プロフィール/ふくもと まさお:1985年、東ドイツに渡り、邦人企業などに勤める。現在、フリー・ジャーナリスト、ライター。特に原子力、再生可能エネルギーなどエネルギー問題に詳しい。ドイツ・ベルリン在住。著書『ドイツ・低線量被曝から28年ーチェルノブイリは終わっていない』(言叢社)他。
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9号記事紹介:若松丈太郎、 憲法と核災を語る。

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本当の戦後レジームというのは、
民主主義が試された敗戦後の五年間だけ。
今、戦前レジームを総仕上げして、
戦中レジームに向かおうとしている。

「東洋のスイス」は日本の再軍備で目的達成
私は1935年生まれですから、昭和でいうと10年生まれです。戦争に負けたときが国民学校初等科4年生、10歳でした。6年生のときに日本国憲法が施行され、『あたらしい憲法のはなし』という教科書を文部省が出しましてねー抜粋してちょっと読んでみます。

「憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかゝわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。やっと戦争はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。そこでこんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これを戦力の放棄といいます。もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。これを戦争の放棄というのです。」

憲法の重要なことがらがを子どもでも解るように書かれています。さらに私が中学生のときに『民主主義』という教科書(上下2巻)が作られ、私たちは義務教育の段階で戦後の民主主義教育を受けました。ですけど、中学3年のとき(1950年)、朝鮮戦争が始まります。そのときGHQの指示によって警察予備隊が発足します。それまで戦争犯罪人とされていた人たち、旧軍人や政治家などの追放解除が行われ、逆にレッドパージが始まり、いろんな人たちが仕事を奪われてしまいました。さらに、文部省は祝日に国旗・君が代を勧める通達を出していますし、公務員の政治活動、抗議行為も禁止されます。安倍晋三が「戦後レジームからの脱却」と言いますけども、現実的には「戦後レジーム」というのは戦争が終わってわずか5年くらいしかなかった、と私は認識しているんです。むしろ、その後は「戦前レジーム」と言える状況に私たちはいた。特に憲法の中でも第九条は、わずか5年ほどで空洞化・形骸化されました。

私は、戦後レジームというのはとっくの昔に終わっていて、今、安倍晋三がやろうとしているのは「戦前レジーム」を総仕上げして「戦中レジーム」にしようということではないかと思います。
「東洋のスイス」という言葉を知っていますか?私が子どもの頃、日本は永世中立国として「東洋のスイス」を目指していたんですよ。いつ頃からか、そういう話をする人がいなくなってしまった。警察予備隊から自衛隊に移って行く過程で言われなくなった。「東洋のスイス」と言っていた人たちは本当は軍備をしたい人たちだったわけで、「戦後レジーム」の5年ののち、目的としていた再軍備が達成されたので、それ以後は言う必要がなくなったんじゃないかと私は推測しています。スイスは平和国家と言いながら、実は軍備は持っている、核戦争にも備えているそういう国ですから。

若松

「J-one:ジーワン9号」(600円・40頁)詳細を見る。

以下、インタビュー全文は「J-one」9号をご覧下さい。

若松丈太郎(わかまつ・ じょうたろう):1935年、岩手県江刺郡岩谷堂町(現 奥州市)生まれ。福島県立原町高校や相馬高校等の教諭、福島県現代詩人会会長を務め、埴谷島尾文学資料館設立にも寄与する。詩集『いくつもの川があって』(花神社)、『北緯37度25分の風とカナリア』(弦書房)ほか。著書『福島原発難民』『福島核災棄民』『若松丈太郎詩選集一三〇篇』(共にコールサック社)、『ひとのあかし』(アーサー・ビナード英訳/清流出版)。

また、若松丈太郎さんは、日本ジャーナリスト会議広島支部発行の「広島ジャーナリスト」第21号(2015年6月)にて「J-one」の紹介記事を書いてくださいました。こちらのページも併せてお読み下さい。
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若松

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9号記事紹介:福島再生事業「ラジアントハウス有機農法」で被災者の生活再建・農業支援を!

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写真上)フクシマ復興支援ネットワークの井上仁さん (右)とラジアントハウス有機農法を開発した杉浦武雄さん(左)。被災者の生活再建と福島再生支援に有機農法を取り入れる事で意氣投合。 写真中・下)ラジアントハウス有機農法の施行写真(提供:株式会社ラジアント)

福島第一原発事故で被災した福島県民の支援を模索して行く中で「被災した農家が新たにやり甲斐や生き甲斐を持って就農出来るのでは?」と、フクシマ復興応援ネットワーク事務局長の井上仁さんが辿り着いたのが、地中加温と太陽熱を組み合わせたラジアントハウス有機農法(「REVIVE JAPAN CUP 2014」ビジネス部門大賞・ポリシー部門復興政策優秀提言受賞)。早速、動き出した被災者生活再建の実証栽培試験プロジェクトを「J-one」がレポートして行きます。

先のインタビューを終えた翌月、フクシマ復興応援ネットワーク事務局長の井上仁さんから1本の電話が届いた。被災者の自立・生活再建を目指す事業開発分科会の施策案が動き出すとの事で、今回用いるラジアントハウス有機農法の開発者・杉浦武雄さんにさっそく話を伺った。
このラジアントハウス有機農法とは、「深層地中加温農法」とも言われ、農地の地中に温水パイプを通して地下を暖める事により微生物を活性化させて連作障害を回避し、作物の増収・高品位化、ハウス栽培の暖房燃料や消毒時の人的労力等、省エネルギー化に繋がるという。
震災前から喜多方では3月出荷実現のホワイトアスパラガスし、宮城のイチゴ農家や夕張のメロン農家に導入され、トマトなど年1作が2作可能になるなど成果を上げている。これまで東北の農業は冷害に苦しめられて来た。疾病の発生だけでなく、わずかな氣候や標高の違いから隣の市町村と数週間種蒔きの時期が遅れ、春先に苗を植えても寒さのぶり返しで痛めてしまう事も多かった。
寒冷期でも作物を育てるハウス栽培は従来、重油式のボイラーを設置しハウス内を25℃程度まで暖めていた訳だが、当然、燃料代高騰の昨今は収益が圧迫され悲鳴があがっていた。これに対しラジアントハウス農法では、電氣式のヒートポンプ(原理はエアコン暖房と同じ)から埋設したパイプを通して地中を数週間かけてゆっくりと暖めるというもので、土壌は一度温まるとペチカやオンドルのように保温効果もあり、暖房するそばから冷えて行く従来のイチゴハウス栽培より燃料代が約5割節約になるという。さらに地上の暖房はせず土壌蓄熱効果により霜が降りない程度の3~5℃に留める事により、作物は養分を蓄えようとし、結果的に甘みのある美味しい作物が出来上がるという。

以下、「J-one」9号をご覧ください。

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9号記事紹介「ごせやける 許さんにぇ/フクシマ復興応援ネットワークーー300年後への提言」

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井上仁さんの著書『ごせやける許さんにぇ―フクシマ原発被災者の歩み・双葉町から これまでの3年、これからの3年』(言叢社のHPで見る)

双葉町復興再生に向けて、300年後への提言
井上 仁さん(フクシマ復興応援ネットワーク)

経営コンサルタントの経歴を活かして、
双葉町・浪江町の復興再生を

子孫代々への長期スパンで展望を探る
ネットワーク。

13の課題を挙げて、生活再建へ向けて活動
すぎた和人(J-one):双葉町ご出身だそうですね。

井上仁:生まれ育って、18歳まで双葉町におりました。今、義理の姉がひとりで白河の仮設住宅で生活していますが、双葉町の実家も少し前までは三世代、両親、兄夫婦とその子供夫婦が一緒で、すごく賑やかだったんです。その後両親と兄が亡くなったり、子供夫婦も仕事で外へ出たりで、震災当時は姉がひとりで実家を守っていました。その代わり、盆暮れは私達兄妹のファミリー全員が集って、だいたい20人くらいで1週間ぐらい一緒に合宿のような生活をするのが続いていました。それだけに、思い返せば、原発事故が悔しいですね。

すぎた:今、首都圏では核家族化が進み転居も多いのが一般的で、福島の家族形態、特に飯舘村などでは四世代同居も珍しくなかった中での避難移住によって家族が分かれて暮らす事や郷土を離れる事への負荷が共感され難いように思います。

井上:地方はどこでも同じだと思いますが、人との繋がりあってのコミュニティーですから、それがなくなったら村も町もなくなってしまいます。もうひとつは、自然そのものですよね。あの山、あの川、そういう自然が焼き付いていて、一体となって生活の場になっていますから、都会とは違います。

すぎた:そうした背景から、井上さんは震災後に「フクシマ復興応援ネットワーク」を立ち上げて、活動されて来られたのですね。

井上:福島の復興再生について13の課題を挙げて、国に提言出来るよう、みんなで議論を重ねているところです。賠償の問題に限って言えば、生活基盤を失われて、今までの文化、絆、繋がり、すべてを奪われた。その辛さに対してお金では補う事は出来ませんけれど、やっぱり国策の犠牲で終わらせてはいけない。敢然と闘わなければならないと思います。そこだけは譲れないと。東電と国に責任を認めさせた上で、正当な額の賠償金を請求すべきです。原発の損害賠償法は「事業者は、損害の発生に故意・過失があったか否かに関わりなく、賠償責任を負う」という法律で、それを逆手に「賠償はするんだから、責任の問題は持ちだすな」と東電なんかは言っている。私も福島の出身者として、郷里の人達を「日本のエネルギー政策の犠牲になった」という事で泣き寝入りさせてはいけない、ちゃんと責任を認めさせた上で正当な賠償を払ってもらうしかないと思うんです。生活再建へ氣持ちの踏ん切りをつける上でも、そこは(現段階では)お金で決着をつけるしかないんです。

(中略)

日本のモデル・ケースとしての福島復興を
すぎた:福島で起きている問題は、過疎化という点では日本全国共通の問題ですからね。

井上:私達の祖先である一向宗徒が天保年間の飢饉で人口が減った相馬藩に移民したという歴史があります。ただ、現代では、町ごとそっくりどこかに移動となると、なかなか現実的な課題になり難い。

すぎた:天保年間まで遡らなくても、飯舘や裏磐梯も戦後の開拓で入った例はありますね。もう一度、どこかへ入植して…というのがあっても良さそうに思います。

井上:個人としてはあり得るでしょう。しかし、地域全体として移住というのはどうでしょうか。今は職業も多様化していますから。昔のように農業、林業、漁業というようにひとつにまとまった集団であれば、話としてもあり得ると思いますが。ただ、「農業をなんとかやりたい、続けたいという人」を対象にという形だったら…。

すぎた:よく「福島県民」とひと括りで言われますが、ここ十年程でも農業をしたくて福島県に移り住んだIターンの人達がいます。その人達は、先祖代々の土地を持っている訳ではないので、農業が出来れば別のところでもいい。そう思って、他県へ移る人も出ています。そういう農業の入植者を募った形で福島県の中で線量の低い会津地方なりへ、「仮の町」とかでなく「受け入れ地域の活性化」という形だと計画し易いのではないでしょうか。関東の若い人達でもこれから農業をやりたいという人達はいますから、原発被災者だけでなく、そういった人達も受け入れる形で。

井上:そういうテーマはいいですね。何か発端を作って頂けたら、13番目の課題として追加したいですね。それに近い話ですが、「復興再生の呼び水となる事業の誘致」というテーマもあります。ある被災自治体にIC関連の工場やソーラー発電所を誘致しようという話です。被災者の中で力のある人達を農業、林業、誘致事業のミックスで過疎地を復活させるというプロジェクトに積極的に呼び込むというのは、ネットワークとしても関心の高いテーマですね。

以下、「J-one」9号をご覧ください。

井上 仁(いのうえ・じん)1941年、福島県双葉町出身。東京大学卒。ベルヒュード国際経営研究所を主宰。「フクシマ復興支援ネットワーク」事務局。著書『困った組織と、どうつきあうか』(ダイヤモンド社)、『ごせやける許さんにぇ―フクシマ原発被災者の歩み・双葉町から これまでの3年、これからの3年』(言叢社)他。

J9-150203「フクシマ復興応援ネットワーク」では、上記インタビューから発展した農家支援プロジェクトとして環境保全型ラジアントハウス有機農法実証栽培試験プロジェクト費用クラウドフアンディングにて支援の協力を求めています。ご協力をお願い致します。

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9号記事紹介:「遺言 原発さえなければ」監督インタビュー

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「遺言 原発さえなければ」豊田直己監督(左)と野田雅也監督(右) 公式サイトを見る

東日本大震災ー福島第一原発事故後、誰よりも早く福島へ入り、翻弄される飯舘村の姿を追った渾身のドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」フォーラム福島上映に際し監督2人に制作への経緯を聞いた。

観客や支援者が支えてくれた「宝」の映像
J-one:『遺言』公開までの経緯をお聞かせ下さい。

豊田直巳(取材・撮影・共同監督):2013年10月に山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されたんですが、配給会社がどこも付かなかったんですよ。映画館に直接交渉しても(上映時間やテーマから)興業として成り立つかどうか心配されました。

野田雅也(取材・撮影・共同監督):僕らも映画を作るのは、初めてですから。配給会社が必要という事すら知りませんでした。フリーのジャーナリストなので、出版社に行って写真を見せてページを貰いますよね。それと同じような事を僕らは映画館に行って映像を見せて、「でも、どうも映画のルールは違うらしい」と途中から氣がついて…。

豊田:それで、自分達で自主配給しようと…。前売りもボランティアの皆さんに手伝ってもらって。すると、東京での試写会で満席を超えて補助席を入れなければならない程で、3月の一般公開も1週間前から劇場に問い合わせが相次ぎ、前売りを買ったけれど入れない人が何十人も出て、急遽、近くに別会場を設けて上映し、もう1週続映になりました。

J-one:震災や原発事故への関心が薄まって業界的には「震災モノ」と括られ敬遠されたそうですが、一般の人はまだ関心があったという事でしょうか?

野田:ひとつは上映のタイミングを3.11を挟んだ1週間に置いた事もありましたので。

豊田:それも悩みどころで、3.11前後はいろいろな集会やイベントが重なってしまいますから。製作にあたっては、英語の字幕やHPの翻訳をしてくれたボランティアの人達とか、この映画の支援としてひとり1万円出してくださった方々もいますし、そういった総合力で結果的に観客が入ったとしか思えないですね。

(中略)

J-one:映画にしようと思ったのは、いつ頃ですか?

豊田:2012年になってTV局も福島にたくさん入って来るようになって、もうTVに(自分達から売り込んで)出せないだろうと。映画に出来るのか出来ないのか、も判らない。それで(『A』のプロデューサー)安岡卓治さんに観てもらったら、「宝だ」と。そこから映画として構成を考えて、ストーリーを紡いで行きました。

野田:そもそも僕らは福島に急いで行ったんですよ。3月12日に。だって、メディアがもう殺到していると思っていましたから。例えば、NHKは陸前高田にベースを置いて被災地のニュースをあそこに集約して、ライブ(生中継)でやっていたんですね。ところが福島に来てみるといないんですよ、メディアが。当時は検問所があって、僕らは行けないだろうと思ってもスイスイ行けて、第一原発の3km手前まで行ける状況でした。僕らは現地情報を早く出さなきゃと思っていたのに「大手メディアは来れないらしい」という噂を聞いて…。
以下、「J-one」9号をご覧ください。

茅ヶ崎映画祭にて2014年10月23日上映
詳細 http://chigasakieigasai.jimdo.com/

「遺言」自主上映企画、受付中

*豊田直巳(とよだ・ なおみ)/1956年、静岡県生まれ。フォトジャーナリスト。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。イラクやパレスチナなどの紛争地を巡り、人々にとっての「戦争と平和」を写真や映像で報道。2003年、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。著書・写真集『フクシマ元年』(毎日新聞社)、『福島 原発震災のまち』(岩波書店)他、多数。

*野田雅也(のだ ・まさや)/1974年、福岡県生まれ。フォトジャーナリスト。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。チベットはじめアジアの紛争や災害現場を取材。インド洋大津波の被災地インドネシアのアチェ州を撮影し、2006年、ナショナルジオグラフィック日本語版で特別賞を受賞。共著『3・11 メルトダウン』(凱風社)、『TSUNAMI 3・11』(第三書館)等。

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9号記事紹介:編集雑記『トラック野郎』故・鈴木則文監督のこと。

J9-141003◆本年5月15日、映画監督の鈴木則文さんが脳室内出血で亡くなった。80歳であった。あまりに東映的な大衆映画を作り続けた人で、代表作は松竹の『男はつらいよ』シリーズの向こうを張って昭和の盆と正月を飾った『トラック野郎』シリーズであった。
◆そのシリーズ第8弾、『一番星北へ帰る』(1978)では、岩手県盛岡市と福島県いわき市・猪苗代町などでロケしている事もあり、震災直後、トラックが入って来なかったいわき市に一番星桃次郎が物資を載せて颯爽と走って来て欲しかった想いを込めて、実行委員会に関わっている「イメージ.福島 vol.5」(2012年4月@フォーラム福島)での上映作品として推薦し、その時の模様をイメージ.福島実行委員会会長でありサスペンス映画研究家の三浦哲哉氏と「J-one」3号(現3.11号)J-oneトーク「映画からイメージする福島」で語ったところ、どこからか聞きつけて「J-one」を手に入れたエッセイ担当の編集者から受け取った監督がデコトラ雑誌「カミオン」2012年11月号の連載コラム「トラック野郎風雲録」にて、この事に触れ、こう書き記して下さった。
「私が驚いたのは、30年前に作られた映画にこれだけ現実感を持って反応してくれたことだ。湖底に沈んだ故郷を語る星桃次郎の場面に映画館は異様な空気に包まれたという言葉に、原発事故で故郷を追われた福島人の痛切を思わされた。
日本の歴史のなかで常に冷遇され続けた<東北>の無念を思った。」
◆震災・原発事故の以前も以降も福島を舞台とした劇映画の数々が作られているが、静岡県出身の鈴木監督は見事に<東北>の心情を震わせる傑作を遺した。これは、ある種、「昭和」という日本人が全般的に感性を共有していた時代であった事も大きいのだろうか。鈴木則文監督の志を引き継ぎ、震災世代の若き想像力が福島や東北を描いた秀作・名作を数多く生み出す事を期待したい。合掌。

「J-one」9号(すぎた和人)

『新トラック野郎風雲録』(鈴木則文/ちくま文庫/2014年)には、震災直後にトラッカーを激励するコラムや、2011年9月3日に宮城県石巻市で行われた『一番星北へ帰る』上映会など、震災関連にも折りに触れ、「J-one」対談も一部転載されています。

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6号記事紹介:「福島再考」F-file #1.「福島に落とされた模擬原爆」

J6-140806

福島市渡利・瑞龍寺で保管されている「模擬原爆」の破片(22cm×50cm、重さ15kg)。

「J-one」6号
「福島再考」F-file #1.
「福島に落とされた模擬原爆」

福島第一原発事故によりホットスポットとなった福島市渡利地区。皮肉な事に戦時中、広島・長崎の投下訓練として模擬原爆が落とされていた!

昭和20年夏。晴れ渡った青空が早くも暑さを伴った午前8時10分過ぎ、空襲警報のサイレンが鳴り響く。伝令係の生徒が走り、登校していた高等科小学生が迅速に校外退避を終えた頃、頭上高く現れたB(ボーイング)-29の機影から輝く爆弾が1発落下ーーそして、凄まじい爆風があたりを襲った。

8月6日午前8時15分に投下された広島原爆の話ではない。その前月7月20日、福島県平市(現いわき市)・平第一小学校に落とされた爆撃だ。その朝、すでに制空権を失った日本列島上空へ10機のB-29が飛来、時刻は広島投下に準ずる8時13分の長岡市を皮切りに、福島市、平市(2発)、北茨城市、東京・八重洲、富山市(3発)を空爆。

それは、通常の1トン爆弾を遙かに超える4.5トン(1万ポンド)の火薬を搭載した特別仕様の大型爆弾で、爆撃機B-29の機体に1発しか搭載出来ない。しかも、その形状は長崎に投下された量産型プルトニウム原爆「ファットマン」と同形状・同寸法で作られており、原爆投下演習を目的とした「模擬原爆」であった事が後々になって判明する。模擬原爆の「模擬」とは模擬試験の模擬であり、実際に広島、長崎に原爆を投下したB29「エノラ・ゲイ」や「ボックスカー」が投入されていた。7月16日、米ニューメキシコ州の砂漠で「ファットマン」型のプルトニウム爆弾を地上爆発で実験を行ってからわずか4日後の事だった。

この実戦訓練は「目視投下」とされた。これは当時のレーダーによる投下がまだ精度が低かっためで、目標地点より外れた失敗例が同じ7月20日ーー8時34分、信夫郡渡利村(現・福島市渡利地区)の水田への投下だ。爆弾の威力は凄まじく、田圃のど真ん中には大穴が空き、泥山が盛り上がり、田圃の稲は鋭い刃物で払ったように断ち切られ、近隣の農家では板戸が折れて吹き飛び、爆風が床下を抜け畳をすべて持ち上げ、炸裂した爆弾の破片が屋根を貫通し麦藁の中で発熱し煙りを上げ、300m離れた渡利第一国民学校の校舎窓ガラスが割れたという。児童たちの多くは8時20分頃に警戒警報が発令されるや、天皇皇后の御真影と教育勅語を収めた校庭に建つ奉安殿の裏手に掘られた防空壕へ逃げ込み助かったが、田圃で草取りをしていた14歳の少年が命を落とし、また農作業をしていた女性が腕を負傷。爆心地は現在、わたり病院が建っている付近とされる。

当時、福島には農蚕高校(現・県立福島明成高校)に高射砲部隊が駐屯、学徒動員どころか福島経済専門学校(現・福大経済経営学類)では校舎内がエンジン組立工場と化していた。目標地点は数キロ離れた福島駅に近い軍需工場だった福島製作所と言われるが、米軍・第509混成群団・特殊作戦任務報告書によれば第一目標は「未確認工場」とあるから、恐らく狙ったのは、東京・武蔵野で爆撃され工場ごと「疎開」して来たーーそれも信夫山の金鉱坑内を利用した地下深くに置かれた中島飛行機の秘密工場「福島フ工場」であろう。

福島県は福島、郡山(2発)、平(3発)の3か所爆撃され、7月29日に標的となった郡山市は、多くの軍需工場を抱え前年に念願の「軍都」指定を受けていた(郡山は4月12日にB29による大空襲を受けており、白河高等女学校らの勤労学徒26名含む460名の死者を出していた)。2回目となる7月29日、9時30分に郡山駅操車場、11時40分に郡山軽工場(中島飛行機に接収された日東紡績第三工場)へ2発の模擬原爆が落とされ、死者49名、負傷者224名を数えた。

広島・長崎への原爆投下及び日本のポツダム宣言傍受以降も米軍は8月14日まで、このような「模擬投下」訓練とパンプキンの「性能テスト」を重ね、計30都市に49発落とした。その中には6月入ってB-29が播いた空爆予告ビラにあった12都市の富山、郡山、大津も含まれる。特に対日ポツダム宣言がぶち上げられた7月26日にも平市(死者3名、負傷者53名)始め、6都市が爆撃されている。
もっとも「大本営発表」下にあった新聞(毎日・讀賣・朝日も統合され県下一紙に統合された福島民報)で報じられたのは7月21日朝刊2面に「福島郊外に投彈」とあるだけで逆に爆撃にも怯まぬ農魂を讃え、郡山や平での爆撃には報じられていない。一方で軍部へ衝撃も与えたのか、26日朝刊には「敵襲に備ふ 濱通り七町民の人員疎開を斷行」とある。奇しくも疎開遂行は日本が降伏し天皇が人間宣言をする「八月十五日迄に完了」。

米国が2種類の原爆を開発し実際に使用した背景には、第2次世界大戦以降に英ソを差し置いて世界秩序の雄を利したい策略であったが、使用への決断には当時の連合軍にとって日本軍がナチスと並ぶ、あるいはそれ以上の悪しき敵国であった事が原爆使用への口実となったのだった。

米軍は前年12月からユタ州の沙漠地帯でファットマンと同形状の爆弾を用い、極秘にピンポイント投下の訓練を始めていたが、なぜ原爆投下に訓練が必要だったかというと、目視投下以外にも、空中で核爆発させる事から搭乗員が自衛のために投下直後に急旋回する必要があった。また、模擬原爆の実演訓練では第一目標の軍需工場が視界不良の場合、臨時で任意の「市街」に落とすよう命令が出ていたが、そもそも大量の民間人をも虐殺する原爆投下であるから、必ずしも投下目標は軍事施設である必要はなかったのだ。

これらの空爆が原爆投下への「訓練/実験」であった事は、戦後長らく隠されていたが、第1目標だった富山の代わりに空襲を受けた島田市の春日井の戦争を記録する会が米国の資料館から資料を発見し明るみとなった。そのため市が編纂した郡山や福島の歴史書に目を通しても言及されていない事が多いばかりか、渡利住民の間でも戦争の記憶が風化し、知られず/忘れ去られてしまっているのが現状だ。やはり歴史を語り継ぐ事の重要性を再認識せずにはいられない。(すぎた和人/J-one)

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8号記事紹介:卒業座談会「相馬高校放送局から未来へ」

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演劇作品『今 伝えたいこと(仮)』 ある放課後、教室に残っていた麻希、望美、桜。ふとした事から互いに語る事のなかった震災が話題に。そして、望美の自殺により、心の奥に封印されていた原発事故への不安が麻希の口から堰を切って溢れ出すー。2012年3月の初演が衝撃を与え、福島中央テレビ制作のドキュメンタリー「『今、伝えたいこと(仮)』福島・女子高生の叫び」が全国放映された。

卒業座談会「相馬高校放送局から未来へ」

中学卒業当日に震災を体験した女子高生が自分達で原発事故への不安をストレートにまとめた演劇作品「今 伝えたいこと(仮)」で全国的に注目された相馬高校放送局。県外公演は5回、県内公演は2回、作品上映会は北海道から沖縄まで50回以上に及び、昨年はドキュメント作品がNHK杯全国優勝、高校生として初めてJCJ(日本ジャーナリスト会議)より特別賞が贈られた。

ずっと伝えて行ってね、と言われて
ーー昨年(2013年)3月の『今 伝えたいこと(仮)』東京公演をもって「部活動引退」という事になっていましたが、実際は各自、いろいろ活動をしていたようですね?

音響担当:去年の夏からなんですけど、福島民報主催の「うつくしま復興大使」に選ばれて、南相馬市の代表として8月に北関東三県の県庁と県警本部などをまわったり、今年の1月には東京消防庁へこれまでの支援の感謝を伝えたりして、来週(3月18日)は南相馬市役所に行って今までの活動報告をして来ます。(自分が)避難していたせいもあって、ボランティアの方とか警察の方とか本当にいろんな方から支援をしてもらったという思いがあって、毎回毎回『今(仮)』上演後のアフタートークでは、「ありがとうございました」と伝えたかったんです。

(中略)

卒業前に震災を別の角度から見直す
脚本・演出担当:NHKの『東北発未来塾』という番組で、是枝裕和監督が講師になって「映像のチカラ」というコーナーで(作品を)作る事になり、震災から3年経った今の氣持ちを込めて、15分のドラマ『これから。』を制作しました。

(中略)

ーー「311映画祭」での反応はどうでしたか?

麻希役:それが…イマイチ解らなくて。大学生から出た質問が高校生に対する質問というより福島全体の問題についてがほとんどで…。「作品から被災者としてでなくて人間として何かを見い出せた氣がする」というコメントを頂いた時は、私自身が凄くそれを感じていたので、被災したんだという氣持ちの押し付け合いじゃ伝わらないんだと思いました。インタビューした私の友人は「被災した可哀想な子」ではなくて、大事な友人なので、ひとりの人間として見て欲しいという氣持ちがあるので、そう感じながら観てくれる人が少しでもいたらと思った反面、ああいう重いテーマの作品を観ても終わった後に「一緒に元氣にしてゆきましょう!」とか簡単に言われると…。

(中略)

自分の中で整理出来ない時間があった
ドキュメンタリー撮影・編集担当:私は東京での最終公演には行かれなかったので、その区切りというのが私の中にはないんですけど。4月に「麻希」と一緒に九州(水俣、長崎、熊本)へ上映会をしに行って、その時の事も入れて作った『相馬高校から未来へ』という作品の中心というか、物凄い大きな材料になる考え方との出会いが水俣と長崎だったのがひとつ。5月に神戸へ学校の行事を途中で抜けて行って担任の先生に怒られたんですけど、東大に合格したひとつ上の先輩が共通の友達という形で灘高校の文化祭に参加して来て、1年生の時に作ったラジオ・ドキュメント『緊急時避難準備不要区域より』を持って行きました。

(中略)

ドキュメンタリー撮影・編集担当:全国優勝とかJCJ賞は形とか響きは、とても凄い事だったんですけど。今は水俣、長崎の衝撃をワンクッション置いてみつめられるから、あの時はいろいろ情報が入り過ぎて大変だったんだろうな、と思うんですけど、その時は自分自身の問題もあって…。

麻希役:長崎に入った初日に「しんどいね」って話をしたんだよね。やっぱり被爆した人の話とか物を見たり、結構詰め込まれて自分の中で整理出来なくて、そういう状況で夜も大人に囲まれたりして、上映会でも自分達の事を考えて、長崎や水俣の事で考えなければならない事を突きつけられたり。それを上手く消化出来なくて、消化する時間もなかなか作ってもらえなくて。

(中略)

これからも自分の考えを発信
脚本・演出担当:私は山形で映像科に進みます。最終的には実写とかドラマとか映画とか。脚本を高校生活の中で書いていて、その中に思いを込めるというのが好きだし、その中に微力でも世の中を変えられる思想やそういう経験を共感出来るという脚本をまとめたので、それを活かして、まだ漠然としか考えていないんですけど、人間と人間の心理や関係上で出来る問題をテーマにした作品を作れたらいいのかななんて。

(座談会の記事全文は「J-one」8号8号をお読み下さい。なお、彼女たちが制作した映像作品は、引き続き「今 伝えたいこと(仮)」と共に全国で巡回上映されます。お近くの会場で上映される際には、ぜひご覧下さい)

相馬高校放送局関連バックナンバー
3.11号 「今 伝えたいこと(仮)」仙台公演版シナリオ+アフタートーク
4号 「今 伝えたいこと(仮)」石川公演レポート+「Girls Life in Soma」紹介
5号 「今 伝えたいこと(仮)」最終公演アフタートーク
6号 「相馬高校から未来へ」JCJ賞・NHK杯W受賞報告
7号 活動報告〜同世代に思いを届ける上映を

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