3号取材:再出発の現場から〜飯舘村

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飯舘村役場前の風景。圧倒的に美しくも見えない放射能汚染が広がる。

先週末は、ムスタファ・サイード氏の福島連帯ツアーつながりの言叢社(西原克成・著「赤ちゃんの生命のきまり」)代表の島亨氏と編集の五十嵐芳子氏、龍谷大学教授の大矢野修氏、東京大学・大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム・准教授の関谷雄一氏(「やわらかな開発と組織学習」春風社)に同行して飯舘村から避難した方々を取材。

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飯舘村役場前にあるモニタリングポスト(γ)の表示は0.65μSv/h、β+γ合算RD1503は0.61μSv/hから尚も上昇。

土曜日は飯舘村から福島市内に移転再開営業をしている自家焙煎珈琲 椏久里さんにて、「現代思想」2012年3月号に登場の菅野 哲(ひろし)さん、椏久里を経営する市澤ご夫妻のお話しを聞き、日曜は飯舘村からの避難者を受け入れている飯野町の人々と懇談。現状での思いはそれぞれのポジションや生活基盤により様々であるが、今後の<再出発>を考えるにあたっても震災(人災)以前からあった過疎化や高齢化の問題が深く根底に横たわっている事を改めて感じた。
比較的に放射能への感心が低い飯野町での住民参加型「勉強会」を町の人々から求められ、視察から戻った関谷氏がさっそく東大「人間の安全保障」プログラムの会議へ提案し了承を得、動き出す事となった。「J-one」でも今後の動向をお伝えしたいと思う。

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長泥地区の側溝で8.75μSv/h(β+γ)。

それにしても依然、放射線量は高い。
宿泊場所(木造)の窓際は0.41μSv/h(RADEX RD1503でβ+γの合算計測)で8時間ぐっすり寝て3.28μSvの被曝。首都圏やコンクリート建造物の室内0.08μSv/hからすると5泊分をひと晩で浴びた事になる。
1日午後、地元の人の案内で飯舘村をひとまわりする。途中、椏久里さんの本店(閉鎖中)をみつけるが、店前の路上・車内で1μSv/hを超える(9月末に訪れた時は近くの「もりの駅 まごころ」駐車場で3.38μSv/h)。
飯舘村役場のモニタリングポストは、まだ雪が積もっていた2月の0.62μSv/hから0.65μSv/hに。「冬場は地面からの放射が雪に遮断されているだけで雪が溶ければ数値は上昇する」と言われていたが、さほど違いはないようだ(地面近くは1.42μSv/h)。

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飯舘村長泥地区で7.16μSv/hを計測。熊も怒りを露わにしている!

ただ、長泥地区の行政による計測(γ)記録表でも
3月6日10時29分 8.01μSv/h
3月13日16時08分 7.18μSv/h
3月19日10時12分 9.06μSv/hと高い。24時間で217.44μSv、365日で79365.6μSv、つまり79ミリ・シーベルトに達する。
(RD1503では4月1日15時過ぎで7.09μSv/hほど)
付近の側溝ではRD1503が8.75μSv/hだったのに対し、低めに表示されると言われている国産のエアカウンターは上限の9.99μSv/hに達し表示が点滅、計測不能となった。

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このように国土が<奪われた>ままであるというのに、体制は原子力政策を推し進めようとしており、本日、日本原燃は青森県六ヶ所村のMOX(福島第一原発3号機でも使用されているプルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場建設を再開した。そのような<再出発>は許されない。

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