福島と生きる(3)

飯舘村役場前に設置されたモニタリングポストはシンチレーション式でγ線のみ計測。β+γ合算で計測のウクライナ製RADEX RD1503は少し移動するだけで大きく数値が変化するが、これだけ違うとは。

2月5日より福島へ取材。東北道の走行時及びパーキングエリアでの線量は、昨年、落葉後に線量が落ちたような印象があったが、改めて見比べてみるとそれほどの変化でもない。
フォールアウトが少なかったと思われる須賀川IC通過時は0.19μSv/hだが、次の安積PAでは0.40に跳ね上がり、車外に出ると0.65と1.25と依然高いが、雪の上は0.75に下がる。これは福島県災害対策本部でも見解を示している「積雪が放射線を遮っている」通りだった。
http://www.minyu-net.com/news/news/0214/news6.html

飯舘村役場前に設置されたモニタリングポストのγ線計測値は0.62μSv/hを示していたが、これは雪に遮蔽された状態の「空間」線量であって、雪解け後の数値はぐっと上がると思われる。

相馬市にある某高校に設置されたモニタリングポスト、γ線で0.35μSv/hを表示。一方、β+γ合算計測のRD1503は0.39、この後、0.41に上昇。

(某高校にあったモニタリングポストの数値0.35に対して、β+γを合算計測するRADEX RD1503が0.41を示した比率1.17倍からすると、γ0.62に対してRD1503は0.73程度のはずだが、1.45とぐっと高い数値を計測。表示だけからすればβ線が0.83で、空間では30cm程度しか飛ばないβ核種がうようよ浮遊している事になる。シンチレーション式の本格サーベイメーターを持参して各モニタリングポストを検証してみるのも興味深い)

放射線について言えば、首都圏も安心していられない。所によるが神奈川・東京三多摩地区で0.13~0.15の公園で子供がマスクなしで遊んでいるのを見かける。2~3時間は外で遊ぶとすると、合算で0.30近くなり、福島中通りで1時間外にいるのと変わらない被曝量になる。福島の子供たちはマスクをしてなるべく屋内にいるようにしているから、むしろマスクなしで屋外で遊んでいる首都圏の子供たちの方が被曝リスクが高いとも言える。
ただ、福島県民の中でも放射能に対する考え方がまちまちで、放射能の危険性のみならずやがて生ずるであろう放射能差別を懸念して県外避難(移住)しているケースに対して、まったく無防備で子供を少年野球のチームに入れ平氣でスライディングさせている保護者もいる。原発爆発以降、1年近く屋内で過ごした子供たちは肥満の傾向ばかりか、足下がふらつきやすいようにも見受ける。
いずれもどのような対処が正しかったのか、は、4~5年後に判明するのだろう。

福島市内は所により首都圏並みの0.15以下の地区もあるが、概ね0.40以上。首都圏にいる時は0.13〜15程度の差で「ちょっと高いな」などと氣にかけるが、0.28〜0.30を超えるとケタが上がる分、感覚がマヒするのか、あまり氣にならなくなる。相馬に抜けるため、霊山通過前に止めていたアラームをオンにする際、「ウクライナ製で0.30からアラーム設定になっているという事は、チェルノブイリ原発事故の起きたウクライナでも0.30以上は注意すべし、という事」と改めて認識した次第。
その霊山パーキングは車内0.64、車外1.59(パーキングのすぐ近くに、この高線量と雪の中でアイスクリーム屋が営業中!)。

また、首都圏の屋外0.15マイクロシーベルト毎時は、1日3.6マイクロシーベルト、1週間で25.2マイクロシーベルト、1ヶ月で108マイクロシーベルト、1年で1314マイクロ=1.3ミリシーベルトの被曝量となる。
ちなみに、JAERO(財団法人 日本原子力文化振興財団)によると神奈川県の自然放射線量は年間0.81ミリシーベルト、毎時0.09マイクロシーベルト。福島県は年間1.04、毎時0.11マイクロシーベルトだそうだ。
http://eneco.jaero.or.jp/important/radiation/radiation04.html

以下は、東北道下り車線走行時及びパーキング停車時(車内・ダッシュボード上)の空間線量。計測器はRD1503、単位はμSv/h、()は車外・地上1m。

2/5        12/1       9/27
・八王子市街
・藤野       0.14
・関越:高坂PA    0.11
・北関東道・土流原PA 0.12
・中央道:蓮田SA             0.11(0.13)
・上河内SA                0.13
・大谷PA       0.15
・矢板IC
・矢板北PA      0.15(0.24)    0.17
・西那須野塩原IC   0.25        0.42
:黒磯PA       0.25(0.45)    0.28      0.24
・那須IC
・那須高原SA     0.25(0.23)    0.14
・白河IC                          0.43
・阿武隈PA      0.24(0.52)            0.28
・矢吹IC
・鏡石PA       0.19(0.21)
・須賀川IC       0.19        0.17
・安積PA       0.40(0.65)    0.38
・郡山南IC                         0.56
・郡山IC
・郡山JCT
・本宮IC
・安達太良SA                        0.31(0.50)
・二本松IC                         0.69
・福島松川PA                        0.39
・福島西IC                          (0.50)

美しい雪景色が広がる飯舘村。RADEX RD1503は2月13日に1万円を切って最安値9800円とピーク時の4〜6分の1にプライスダウンするが、日々の時価で販売されているため14日現在10400円に。

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